ブログに掲載できたことと本に使えることは分ける

書籍化では、文章だけでなく、写真、イラスト、地図、画面の画像も確認します。ブログ上で表示できる仕組みや、ウェブ掲載のために受けた許可が、そのまま印刷や販売にも及ぶとは限りません。以前から使っていて指摘されなかった、という理由だけでは判断しないようにしましょう。

たとえば旅行記事に地図を埋め込んでいた場合、本では同じ仕組みを使えないため、画面を撮って貼ろうと考えるかもしれません。しかし、埋め込みと地図画像の複製では確認すべき利用条件が違います。リンク先の情報を紹介する文章に直す、紙で使える素材を探すなどの選択肢を検討します。

引用は出典を書く以外の要件も確かめる

文化庁の「著作権テキスト」では、公表された著作物を、公正な慣行に合い、引用の目的上正当な範囲で使うことなどが説明されています。本で他人の文章を扱う場合も、次の点をまとめて確認することが大切です。

確認点ブログ本で見直すこと
主従関係自分の説明や考察が主で、引用がそれを支える関係か
明瞭区別かぎ括弧などで引用部分と自分の文章が分かれるか
出典著者名、作品名、掲載元など、出所を示しているか
必然性自分の説明にその作品を取り上げる必要があるか

出典を付ければどんな転載も認められるわけではなく、分量だけで一律に判断できるものでもありません。文章や画像の種類、利用の目的と方法などによって判断が変わり得ます。引用としての利用を考えるなら、実際の紙面で自分の説明と他人の作品の関係を見直しましょう。

埋め込み・転載・画面画像は利用の範囲を確認する

SNSの投稿や動画を公式機能で埋め込んでいた記事も、印刷では別の確認が必要です。投稿画面のスクリーンショットには、本文、アイコン、写真、利用者名などが一緒に入ります。画面を自分で撮ったから、そこに含まれるすべての作品を自由に使えるとは考えないでください。

他人の写真を「ブログへの掲載ならよい」と許可された場合は、書籍化、販売、電子書籍、告知への使用まで認められるかを確認します。自分のブログから画像を保存し直しても、写真を撮った人の権利が自分へ移るわけではありません。素材の出所と以前のやり取りを探すところから始めます。

転載した文章についても、紙面に必要な箇所かを再検討します。元の作品の内容を楽しんでもらうことが中心なら、短くしたり自分のコメントを足したりするだけで引用になるとは限りません。引用として判断しにくい場合は許諾を相談し、確認できなければ掲載を保留します。

歌詞・キャラクター画像・地図は装飾でも見落とさない

日記の気分を表すために添えた歌詞や、見出しの横に置いたキャラクター画像は、本文以外だから確認不要というものではありません。歌詞が短いから大丈夫、好きな作品を紹介しているから使える、と一律には判断できません。必要な利用手続きを確認し、難しければその画像や文章を使わない構成にします。

地図は、サービスの画面、観光案内の画像、自分で描いた案内図を区別します。既存の地図をなぞっただけなら、自作という説明だけで解決しないことがあります。道順を自分の文章で説明する場合も、場所や道の情報が正しいかを確かめましょう。権利の確認と、情報の正確さの確認は別に進めます。

自作の素材から確認し、許可待ちと差し替えを分ける

確認表に記事名、素材、作った人、出所、以前の許可、今回の使用方法を記録します。写真のファイル名と紙面の位置を結び付けておけば、後から差し替える場合にも迷いにくくなります。

  1. 自分で書いた文章と撮った写真を確認し、他人の作品や人物が含まれていないかを見ます。
  2. 他人の素材は、引用の要件に照らすものと、許可を相談するものに分けます。
  3. 許可が必要な素材は、紙・電子・販売・告知の使用範囲を伝えて返答を保存します。
  4. 確認できない素材は外し、自分の説明や利用条件の合う素材へ差し替えます。

自分で撮った写真でも、写っている人への配慮は残ります。顔や名前の掲載についてはプライバシーの記事で、写真素材やブログサービスの条件は利用規約の記事で確認してください。

判断に迷う箇所は実際の原稿を見せて相談する

「写真を載せたい」という説明だけでは、権利者や相談先も利用の仕方を判断しにくくなります。どの写真をどの大きさで載せ、どんな説明を添え、販売する予定があるかを示します。許可の返答は、対象となる素材と使い方が分かる形で残しておきましょう。

この記事は一般的な確認の手がかりで、個別の利用が認められるかを断定するものではありません。判断が難しい箇所は、出版会社や著作権に詳しい専門家に原稿を見せて相談します。基本的な制度の説明は自費出版ガイドの著作権記事、引用の根拠は末尾の文化庁資料で確かめられます。