ブログ名を残すかは初めての読者に伝わるかで決める

長く使ってきたブログ名には、読者が見つけやすいという利点があります。一方で、短い愛称や抽象的な言葉だけでは、育児の記録なのか旅のエッセイなのかが伝わりにくいこともあります。書名だけを見た人が、本の内容を想像できるかを考えましょう。

ブログ全体を表す名前と、今回選んだ記事の範囲が合っているかも大切です。さまざまな話題を書いているブログから料理の記事だけを選ぶなら、本の主題が分かる書名に変える案があります。ブログ名は副題や著者紹介に残すこともできます。

親しい読者に向けた記念の本なら、呼び慣れた名前を中心にする方法もあります。書名を決める前に、記事の選び方と目次を見直し、題名が約束する内容を本文で読めるかを確かめてください。

副題には題名だけでは分からない内容を添える

主題は印象に残る言葉、副題は中身を説明する言葉、と役割を分けると整理しやすくなります。同じ意味の言葉を重ねず、題材、期間、場所、読者に持ち帰ってほしいことなどから、本文に合う情報を選びます。

次は書名の考え方を示すための仮の案です。実在する本の紹介や、使用できることを確認した書名ではありません。

仮のブログ名書名・副題の案補える情報
小さな窓小さな窓――子どもと歩いた季節の記録育児と暮らしの記録であること
台所だより台所だより――家族に残したい日々のごはん家庭の料理を残す目的
道の途中道の途中――列車で訪ねた町の旅日記移動の方法と旅の題材

副題で内容を補う場合も、実際には載っていない情報や、成果を保証するような言葉を足さないようにします。個人の体験記なら、その体験を表す言葉を選び、実用的な解説書と誤解されないかを確認しましょう。

ほかの本との重複と商標は書名を固める前に確かめる

候補ができたら、同じ書名や似た読み方の本がないか、書店や図書館の検索で確かめます。見つかった場合は、題材や著者名まで似ていないかを見ます。検索結果で別の本と取り違えられそうなら、特徴のある語を加えるなどして区別を考えます。

ほかの本との重複確認とは別に、名称の商標の確認も必要です。ブログで使い続けた名前だから、本や宣伝にもそのまま使えるとは決めつけないようにしましょう。商品名や有名な名称を含む場合など、判断に迷う候補は制作担当者や専門家に相談します。

検索で似た名前が見つかったことだけで使用の可否を断定したり、見つからなかったことだけで問題ないと判断したりはできません。装丁や告知を進める前に候補を絞り、気になる点を確認しておくと、後から書名を直す作業を減らせます。

ハンドルネームは表紙から紹介文まで同じ表記にする

ブログで使っているハンドルネームを、著者名として使うことは相談できます。長い名前や記号を含む名前なら、本に印刷したときの読みやすさ、口頭で伝えるときの分かりやすさも考えます。読者が知る名前とのつながりは、著者紹介で補えます。

漢字、ひらがな、英字の大文字と小文字、空白、読み方を決め、書名と一緒に表記のメモを作ります。表紙、扉、奥付、紹介文、販売情報で表記がばらつくと、読者が同じ著者の本だと気づきにくくなることがあります。

ブログ上で名前を変えたことがある場合は、旧名を紹介文に載せる必要があるかも考えてください。旧名と結び付けたくない事情があるなら、その希望を制作担当者に伝えます。著者紹介は名前だけでなく、掲載する経歴や写真も含めて確認します。

奥付に載せる情報は本人確認の情報と分けて相談する

ハンドルネームで出版したい場合、表紙だけを確認して終わらないようにします。本の末尾などに置く奥付に、著者名、発行者、連絡先をどのように記すかも確認します。公開する名前と、契約や支払いのために提出する本人情報は区別して扱います。

奥付の発行者を誰にするか、本名や自宅の住所をどこまで公開するかは、制作と販売の方法を伝えて相談してください。著者名を別名にすれば、どの箇所にも本名が出ないと一律にはいえません。原稿の謝辞や画像内の文字に残っていないかも見直します。

ISBNが要るのはどのような届け方か、奥付に何を記載するかといった制度の説明は、自費出版ガイドのISBNと奥付の記事を参照してください。この段階では、紙面に出したい名前と公開したくない情報を整理しておくことが役立ちます。

書名を実際の表紙に置いて読みやすさを確かめる

候補の文字を本の表紙と背表紙に置くと、長さや改行の難しさが分かります。ブログのヘッダーで読みやすかった名前でも、背表紙では収まり方が違います。書名と著者名、副題のどれを先に読ませるかを装丁の検討で伝えましょう。

最後に、本文を知らない人へ書名と短い紹介文を見せ、どんな本だと思うかを聞きます。期待した内容と大きくずれる場合は、主題を変えるか副題を補います。表紙だけでなく、ブログで発売を知らせる文章でも同じ表記を使える状態に整えておきます。