全部入れる前に文字数から厚さを見積もる

ブログの全記事を本にすると、思った以上に厚くなり、制作費も上がることがあります。画面では記事ごとに読めても、本では同じ説明の繰り返しや、途中で終わる話題が目立ちます。まず、今回の本で残したい範囲を決めましょう。

例えば、300記事の平均が800字なら、300記事×800字=24万字です。B6判で本文が1ページ約600字入ると仮定すると、24万字÷600字=400ページ前後になります。これは計算のための設定例で、写真、目次、章扉、余白などは含みません。B6判なら必ずこの字数になるわけではありません。

短い記事と長い記事が混ざる場合、目についた記事だけで平均を決めないようにします。候補を文章のデータにまとめて実際の文字数を数え、ページ数の目安計算で写真も含めて考えると、削る必要があるかを判断しやすくなります。

残す基準は読者と期間かテーマで決める

家族に渡す育児の記録なら、そのときの気持ちや成長の変化が伝わる記事が軸になります。初めて読む人へ届ける旅行記なら、行程のつながりや土地の様子が分かる記事を優先できます。「よく読まれたか」だけでは、本の目的に合う記事は選び切れません。

対象を「引っ越しまでの暮らし」のように期間で区切るか、「台所で受け継いだこと」のようにテーマで区切ります。範囲から外れる記事も消さず、別の保存用データに残してください。今回載せないことと、記録としての価値がないことは別です。

  • 本の中心となる出来事や考えが伝わる記事は採用候補にする
  • 同じ出来事の記事は、役割が異なるものを残すか、まとめる
  • 日々の告知や期限の過ぎた案内は、記録上の意味があるかで判断する
  • 写真や許諾の確認が終わらない記事は、採用を保留する

出来事の変化は時系列、知りたいことはテーマ別に並べる

育児や闘病、旅の道中など、前の出来事が次の理解に必要なら時系列が向きます。ブログの表示が新しい記事から始まる場合も、本では古い出来事から追えるように並べ直します。途中を省いた期間は、短いつなぎの文章で補いましょう。

レシピや趣味の工夫など、関心のある項目から読みたい内容はテーマ別が向きます。例えば料理なら、ブログの投稿日に関係なく「日々のおかず」「行事の料理」とまとめる案があります。ただし、前の記事を前提にした呼び名や説明は補う必要があります。

テーマ別の章の中を時系列にする組み合わせもできます。目次を読むだけで、どこから何の話が始まるかを確かめてください。分類しにくい記事のために無理に章を増やすより、本の主題に必要かを考え直す方が流れを整えやすくなります。

原稿整理の表に採否と確認待ちの作業を残す

記憶に頼って選ぶと、掲載をやめたはずの写真が原稿に残ることがあります。表計算ソフトやノートで、記事ごとの状況を記録します。次は記入例です。記事を取り違えないよう、元のタイトル、投稿日、URLも同じ行に控えます。

記事の目印採否と理由掲載順元画像の有無許諾
初めての登園採用・生活の変化育児の章の冒頭スマホにあり写る家族へ確認中
季節のお知らせ不採用・告知のみなし写真なし対象なし
旅先での再会保留・説明を補う旅行の章の後半縮小画像のみ同行者へ確認中

「写真あり」だけでなく、印刷に使える元画像を見つけたかを書きます。許諾も未確認と確認済みを区別し、必要なら了承の記録を保存した場所を添えます。この表があると、家族に確認を頼むときや制作担当者へ渡すときにも、残る作業が伝わります。

日付と章立ては通して読んで調整する

日付が大切な記録は記事のそばに残し、テーマ中心の文章では章末などにまとめる方法があります。投稿日と実際の出来事の日が違うなら、どちらを示すかを決めましょう。日付を省く場合も、書いた時点の状況が変わる表現は紙向けの書き直しで確認します。

章の中に並べた原稿を続けて読むと、同じ挨拶や人物紹介が続く箇所が見つかります。短い記事をまとめる場合は、元の記事との対応を表に残してください。後で写真や掲載日を照合するときに役立ちます。

まえがきとあとがきで本に残す範囲を伝える

まえがきには、誰に向けた記録か、どの期間やテーマを選んだか、ブログからどの程度手を加えたかを書きます。初めて読む人が本文に入るための説明を置き、各記事で繰り返していた前置きを減らせます。

あとがきには、書いていた頃から現在までの変化や、本として残したいと思った理由を添えます。当時の文章をすべて現在の言葉に直さなくても、時間の違いを読者に伝えられます。目次と冒頭、末尾を通して読み、本に含める範囲が一貫しているかを確かめましょう。