押せないリンクは本文の説明か注に置き換える

ブログでは、リンク先を開いたり前の記事へ戻ったりして情報を補えます。本では、そのページに書かれた言葉と写真が読者の手掛かりです。まず「こちら」「前の記事」「上の写真」などを探し、行き先や参照先が紙面にあるかを確かめます。

リンク先を知らなければ話が分からない場合は、必要な内容を本文に書きます。補足にとどまる情報なら、脚注や章末の注に資料名とURLを記す方法があります。URLは後で変わることもあるため、リンク先だけに結論を預けないようにしましょう。

ウェブでの表現紙で困ること直し方の例
詳しくはこちら→押して移動できない作り方の要点を本文に書き、詳細資料は注にする
先日の記事で紹介した器どの記事か分からない旅先の窯元で選んだ器、と説明する
上の写真をご覧ください配置変更で上下が変わる焼き上がったパンの写真、と対象を示す
今日も遊びに来てくれてありがとう各記事で続くと区切りが多くなる本全体への挨拶として、まえがきへ移す

参照先も本に載せるなら、章名や記事名で示すと探しやすくなります。ページ番号はレイアウトで変わるので、原稿段階では仮にし、校正時に確認してください。他人の文章を補う場合の扱いは引用と写真の権利で確認します。

改行は画面の幅ではなく意味のまとまりで入れる

スマホで読みやすくするため、短い言葉ごとに改行している記事もあります。そのまま本にすると、行末の空きが増え、話が細切れに見えることがあります。画面の見た目を再現するより、同じ話題の文を段落にまとめて読み直しましょう。

例えば「朝、窓を開けた。/庭の花が咲いていた。/昨日の雨が残っていた。」が同じ場面なら、続けた段落にできます。一方、驚いた瞬間や気持ちの変化を示す改行は、残すことで語りの間が伝わります。すべての空行を一括で削る必要はありません。

記事の切れ目と段落の切れ目も区別します。記事ごとの見出しは残し、見出しの下に空白を積み重ねて位置を調整しないようにしてください。紙面上の余白は本文レイアウトで決めると、判型を変えても調整しやすくなります。

絵文字と顔文字は感情の役割を見て残す

絵文字は、書体やデータの受け渡しによって見え方が変わる場合があります。カラーの表情に頼っていた文は、モノクロで感情が伝わるかも確認します。意味を担う記号は、欠けたり別の形になったりしていないか、確認用データで見直しましょう。

例えば笑顔の絵文字だけで軽い冗談だと伝えていた文は、「と、思わず笑ってしまいました」と補う案があります。ただし、顔文字が書き手らしさになっているなら、使う場面を絞って残してもよいでしょう。文字に置き換えて感情を強めすぎていないかも読み返します。

当時の言葉と現在の補足を区別する

「今日は」「先月」「最近」は、投稿日が見えない本では基準が分かりません。記事の日付を残すか、「旅の最終日」「引っ越しの翌月」のように、文の中で時点を示します。実際の出来事の日と投稿日が異なる場合は、どちらを表しているかも整理します。

営業していた店が閉店したなど、その後の変化を知らせたい場合は、本文を現在の出来事に書き換えるより「書籍化にあたっての追記」として分ける方法があります。当時の期待や不安まで、今の結論に合わせて直すと、記録の意味が変わってしまいます。

時制も文脈で揃えます。過去の体験を振り返る段落と、当時の日記をそのまま収める段落は、どちらも使えますが、境目を読者に伝えてください。最新の情報として読ませる箇所は、確認した範囲を明らかにしましょう。

コメント返信と内輪の呼び名は前提を補う

「教えていただいた方法を試しました」だけでは、読者は何を試したのか分かりません。必要な方法を自分の言葉で説明し、相手への返信でしか意味を持たない挨拶は整理します。コメントそのものを載せる場合は、相手への確認と個人情報を先に扱います。

ブログでおなじみの「師匠」「いつもの公園」も、本を初めて読む人には説明が要ることがあります。初出で「料理を教わった近所の方」のように補えば、その後は親しみのある呼び方を残せます。説明のために実名や詳しい住所を増やす必要はありません。

文体は揃えすぎず通読して違和感を探す

「です・ます」と「だ・である」が無意識に混じる箇所、同じ品物の呼び方が揺れる箇所は整えます。ただし、日記と短いエッセイで語り方が違うなど、意図のある差は残せます。残す表記や口癖をメモにして、編集を頼む相手にも伝えましょう。

修正前の原稿を保存してから、章ごとに声に出して読みます。丁寧な文章に直した結果、本人なら使わない言葉になっていないか、喜びやためらいが薄れていないかを確かめてください。読者が迷う箇所を直したら、一度通して読むことで、書き直す範囲を決められます。